ご老幸の言葉杖

長年の間に書き溜めた言葉達『人生の応援歌』。老いゆく自分に、そっと付き添ってくれた希望や夢や勇気の友です。

今週のお題「叫びたい!」

 

じいじ も参加させていただきますね。

 

僕はその日、胸をワクワクさせながら・・・?

高鳴る胸をシワの刻印された小さな手で押さえながら、

向かう。

(どうだろう・・・どんなふうに・・・あるかな?)

駅前の書店の入り口にたった僕の視線は、

目の前の陳列台に走った。

(確か、出版社が「入り口に山積みに陳列してますから」

 って、言ってたよな)

でも、無いじゃん・・・どこどこどこ?

僕の眼が並んでいる多くの本を、次々と捉えていく。

『あった~~~~~』

激震の言葉が脳の中を駆け巡る。

叫びたい気持ちをぐっと抑えて、書店員に伝える。

「昨日お願いしておきました件ですが」

「はい、いいですよ。今、店長を呼びますね」

カウンターから出てきた店長は、店内放送で、

「只今から本日発売の作家さんのインタビューを

 入り口で行います。皆様の・・・」

 

僕はおもむろに震える手で、自分の本を陳列台

からとると、胸に飾った。

多くのお客さんが集まってきた。

「じゃあ、嬉野さん、どうぞ」

僕は、右手に本を持ち、足にぐいと力入れ、

両手を頭上に。

『僕の本がでたぞ~ばんざ~い、

     ばんざ~い、ばんざ~い』

思い切り、叫んだ!!

お客さんも一緒になって・・・

 

そんなことを考えながら、

じっと陳列台の誰かの本を見ている、

僕がいた。

そうなんです。

じいじは一度でいいから、自分の出版した本を、

書店の陳列台に並んだ光景を見てみたいのです。

夢のまた夢ですが、こうして日々、創作しながら

夢をみていると、とても幸せな気持ちになります。

本当に叫んでみたいな、一度でいいから。

「僕の本が書店にならんだ!ばんざ~い」

 

じいじの夢言葉